スウェーデンの代表的な陶芸家リサ・ラーソンが1967年に製作したUNIKシリーズという陶板です。リサ・ラーソンはこの年にひまわり、猫、鳥、馬、象などを含んだ9種類の陶板をデザインしました。これはそのうちひまわりを描いたものです。陶板は首都ストックホルムにあるグスタフスベリ社のGスタジオと呼ばれるアトリエで一点一点が手作りで製作されました。
こちらはカタログに記載がない特殊なカラーのひまわりの陶板となります。試作品的に作られたユニークピースと呼ばれる大変希少なものです。背面は通常のUNIKシリーズに見られるベロ型の金具ではなく両穴に針金を通す形式です。これは60年代後半にUNIKシリーズが考案された当時、まだ量販品が販売される前の試作段階の作品に見られる特徴です。
当時は陶板のフォルムは決まっていましたが、釉薬の色や釉薬の厚みは決まっていませんでした。そのため試験的に釉薬の色合いや濃さなどを工夫した実験的な作品づくりが行われています。その過程で通常のUNIKシリーズとは異なる特殊なカラーパターンの陶板が生み出され、サンプル的な作品として現在にまで伝わっています。
本品の最大の特徴は、通常のひまわりの陶板とはひまわりの花が全体的に白く、通常は茶色の縁取りも白く彩られている点です。また、正規版の表面はペタッとした質感ですが、本品には微妙な凹凸があり質感も異なっています。
上下の外側の花弁は指で押しつぶした箇所が見られ、リサ・ラーソン自身の作陶であると考えられます。多作で知られるリサの試行錯誤の跡が見て取れる作品です。
正面右下のサインは押印式のハンコによるものですが、最初のLの字の傾きが他の作品には見られない独特の印となっています。本作は創作の苦労が伺われ、歴史的にも価値ある逸品です。
■詳細スペック
メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
デザイナー:Lisa Larson / リサ・ラーソン
シリーズ名:UNIK / ユニーク
作品名:Solros / ひまわり
本品の製作年代:1967年頃(推定)
UNIKシリーズの制作期間:1967〜1986年
コンディション:★★★★★(5:完品)
背面の針金は経年の汚れが見られますが壁掛けとして問題なくご使用いただけます。割れや欠けがなく制作時の姿を留めた出来栄えも非常に優れた陶板です。
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